What's Gabbeh?
イランの遊牧民がつくる
手織りじゅうたん
イラン南部のザクロス山脈の山のふもと、標高2000m以上の乾燥地帯で暮らしている遊牧民カシュガイ族。昼夜の温度差が30℃以上にもなる過酷な大地で暮らすため、家畜として育てた羊の毛を刈り取り、ふかふかで毛足の長いじゅうたんを織り始めました。それがギャッベです。飼っている羊の毛から、女性達が糸をつむぎ、手織りしています。サイズによっては1日に1cm程度しか織り進まないものも。手間はかかるものの、手しごとならではのゆらぎや味わいは、そこにあるだけで安心感を与えてくれます。
ギャッベに描かれている
伝統的な文様
織り子となる女性たちがギャッベに描くのは周りの自然や一緒に暮らす家族・動物、そして将来への願いを込めた文様などです。日々の暮らしの中で感じたことをそのまま、彼女らなりのアートとして憧れを持って織り込まれています。
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生命の木「長寿、健康」
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オオカミの足跡「厄除け」
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鹿「家庭円満」
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窓、井戸「幸せ、恵の入り口」
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メダリオン「厄除け、邪気払い」
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人「子孫繁栄」
100年以上長持ち
生涯を超えて使える
ギャッべ。
普通のラグだと長持ちする印象はないように思えますが、ギャッベは通常地面の上にしき、土足で使うことが目的で作られたため、それに耐えられるようにしっかりと織り上げています。なんと100年以上、3世代にわたって使われているものもあるほど。使っていくごとに滑らかになっていく毛並みなどを楽しみながら、家族のように長くお付き合いいただけます。
夏こそサラッと使いたい。
冬は保温効果。
夏こそ使いたいのがギャッベです。上質な天然ウールは驚くほど優れた調湿効果を備えています。夏の汗ばむ時期はさらっと、冬は室内の暖かい空気を溜め込み保温します。そのため、1年通して快適にお使いいただけます。
水にも強い。なんと油にも。
あ!こぼしちゃった。そんな時にもギャッベなら安心。寒暖差の激しい地域で冬を越した羊は毛の表面に油分をたっぷり含んでいます。その油分が、しょう油やコーヒーなどの汚れを弾き、毛の内部まで入り込むのを防いでくれます。また織り目が詰まっているので、ほこりや食べかすなども表面で止まり、掃除機をかければ、またきれいに使えます。
子供にも安心。
お子さまにとって、小さい頃は特にじゅうたんが一番のあそび場であり、”お子様にとって世界そのもの”だと言っても過言ではないかもしれません。厚みのあるギャッベですので、おもちゃを放り出したり飛び跳ねたりする音も響きにくく、子供の遊び場にぴったり。またジュースやお菓子をこぼしても汚れにくいので安心です。
ギャッベができるまで
遊牧民が暮らす山のふもとから街へ降りていくと、織り子さんと共同でギャッベを制作するゾランヴァリ社の工場があります。遊牧民の生活道具でしかなかったギャッベを海外に広げたのもゾランヴァリ社です。連携プレーでギャッベができていく様子を見てみましょう。
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冬を越した羊から毛を刈り込み、
糸状に紡いでいく。 -
毛糸を植物の染料で
1日~2日間ぐつぐつ煮る。
水洗いし、乾燥させて色糸が完成。
200色近いバリエーションがあります。 -
染められた毛糸は織り子さんの元へ。
織り上げるのにかかる時間は
大きいもので1年近くになります。 -
織りあがったギャッベを
ゾランヴァリへ戻し、
裏側の産毛を焼いて硬く固めます。 -
大量の水で汚れを落としたあとは、
外で天日干しをします。 -
仕上げに毛糸の長さを切りそろえ、
端を綺麗にしていきます。
そして全体の歪みを整えたら完成です。
その後・・
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仕上がりの状態を見てよりよい品質のものを選定します。
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お家へ到着!